食べることをメインにしたエッセイ。
老人の食にしては豪快なものもあるのだが、こちらもおいしそうに思えるのは、貧乏食を描く辺りだ。
やはり小さいときとか、若い頃に味わった食というのは、一生忘れられない、あるいは一生からだが好むものだということが、しみじみと伝わって来る。
共産党の広報誌に連載したものらしい。なんだか違和感あるけど、これも時代の流れ。
新日本出版社(2015)
老人の食にしては豪快なものもあるのだが、こちらもおいしそうに思えるのは、貧乏食を描く辺りだ。
やはり小さいときとか、若い頃に味わった食というのは、一生忘れられない、あるいは一生からだが好むものだということが、しみじみと伝わって来る。
共産党の広報誌に連載したものらしい。なんだか違和感あるけど、これも時代の流れ。
新日本出版社(2015)
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ソーメンと世界遺産 (ナマコのからえばり8)の感想
なんだか久しぶりにシーナを読む。すでに老境に入っているのに、今までのように締め切りに追われている。作家は体力なのか。読んでいる方は休憩できるが、書き続ける方は深甚だよね。 しかもいいかげんな日常からだんだんとしみじみな夕暮れ文章になっているのが、同じ時代を生きているという実感がこちらにあってうれしい。 たぶん、没後もおなじように読み続ける作家だなあ。
なんだか久しぶりにシーナを読む。すでに老境に入っているのに、今までのように締め切りに追われている。作家は体力なのか。読んでいる方は休憩できるが、書き続ける方は深甚だよね。 しかもいいかげんな日常からだんだんとしみじみな夕暮れ文章になっているのが、同じ時代を生きているという実感がこちらにあってうれしい。 たぶん、没後もおなじように読み続ける作家だなあ。
![]() | あやしい探検隊北へ (角川文庫) (1992/07) 椎名 誠 商品詳細を見る |
『あやしい探検隊 北へ』。
1984年5月に情報センター出版局から刊行されて、1992年7月に角川文庫に入りました。
本書は、1980年前後、椎名隊長の厳しい隊規にのとって、離れ島に通い、釜たき、水くみ、たき火、宴会に命をかけていた頃の貴重な記録である。椎名さんとその仲間たちの魅力のすべてが収められている「あやしい探検隊」シリーズ、待望の文庫版第2弾。
車何台かに分乗して、木村晋介がトランシーバーで「パンツ1号からバンツ2号につぐ、丸美屋の薄皮まんじゅうにつぐ!ただちにあんを捨てて外に出なさい!」。くだらなくてとてもいい。いい。
![]() | みるなの木 (ハヤカワ文庫JA) (2000/04) 椎名 誠 商品詳細を見る |
椎名誠の超常小説短編集、全十四篇。
この奇態な語呂合わせなどの言葉遊びを駆使した日本語の使いかたはあまり文学的には注目されていないのではないか。
実験性ということであれば筒井康隆の小説と並ぶし、独自の造語を用いて翻訳活動している柳瀬尚紀とも似た世界を持っている。
理屈はともかく、きわめてヘンテコで面白い短篇小説集である。
![]() | ハマボウフウの花や風 (文春文庫) (1994/09) 椎名 誠 商品詳細を見る |
「ハマボウフウの花や風」椎名誠
19年ぶりに訪れた故郷の海辺の町。そこで、水島はかつて想いを寄せていた同級生の美緒と再会し、けんかに明け暮れた青春時代を回想する。表題作の『ハマボウフウの花や風』をはじめ、伸銅品問屋の臨時社員となった主人公が、仕事先で出会った美しい女性に手紙を書く『倉庫作業員』など、男達のさまざまな季節を描いた珠玉短篇集。
様々な仕事場の中で生じる、いろいろな人々の情緒をせつなく描いた短編集。
椎名誠を読んでいる人には私小説として思い描かれる内容が多い。
そしてその背景はとても昭和的であり、感傷も味わえる。
この小説ではふたつの短編が映画化されているらしい。
「倉庫作業員」は、山田洋次監督の「息子」。
「三羽のアヒル」は、椎名誠本人監督の「あひるのうたがきこえてくるよ」。
とても映像的な私小説でもあるわけだ。
「胃袋を買いに。」椎名誠・文春文庫・5
![]() | からいはうまい―アジア突撃極辛紀行 韓国・チベット・遠野・信州編 (2001/06) 椎名 誠 商品詳細を見る |
椎名誠である。
あいかわらずである。
でもこの辛い食べ物をめぐって、韓国、チベット、遠野、長野をまわる紀行文はけっこう最高作に近いのかも知れない。
大食いとか麺類とかよりも、ハヒハヒの方が椎名誠のイメージに近いからかも知れない。
![]() | 胃袋を買いに。 (文春文庫) (1994/04) 椎名 誠 商品詳細を見る |
この短編は、盆返りから発想して、というクローンだかバイオだか的に死者を復活させて、「盆戻り」させている世界の一家族を描いた、椎名誠得意な超常小説。
とりあえず、柔な精神状態でも楽しめます。
椎名誠のSF短編集、といってよいのだろう。
この作家独特の固有名詞がぞろぞろ登場する、著者の言葉を使えば「超常小説」という現代世界の延長線上にある近未来、あるいは不思議な発達を遂げた世界を舞台にしている。
たとえば「デルメルゲゾン」は、ある男が朝起きると突然に文字がまったく見えなくなる。新聞もちらしも看板もそこに書かれているはずの文字は真っ白なのだ。
これは怖い。
亡き母が“盆戻り”で家に帰ってくる、「胃袋を買いに。」
ある日とつぜん、家がゆっくりと地中に沈み始める、「家族陥没」。
こんな感じで、なにかしら現在とは欠けている、あるいはなにかしら過剰な世界が繰り広げられている、椎名誠独特な奇妙な世界を描く、十一の短編集。
「胃袋を買いに。」椎名誠・文春文庫・4